社長の独り言

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社長の独り言 Vol.75 8月9日午前11時2分の黙祷


 2011年9月1日
 「大津波に襲われ、岩手県内で最も多い1500名以上の犠牲者をだした陸前高田市の松で作った薪約330本を、8月16日の京都『五山の送り火』の護摩木として燃やし、犠牲者の冥福を祈ろうと計画されたが、放射能が巻き散らかされるから、それに京都地方の催事だからという40件の声におされ中止となった。8月8日、その薪は現地・高田市でお盆の迎え火として燃やされた。炎は天高く舞上がった。その薪は放射能に汚染されていなかった。」・・・・・とTVニュースは言った。
 
 11万の人々が心をもって見る京都伝統の『五山の送り火』の催事が、たった40件の意見によって、今の日本が必要としている「いっしょよ。日本!」の想いを無視する行為になったことに、とても悲しくなった。
 
 そして、「翌9日までにおよそ1,000件の批判や抗議が寄せられたため、京都市や京都五山送り火連合会は、陸前高田市から別の薪500本を新たに持ち込んで、送り火で燃やすこと
を決めた。」・・・・・そして「2回目に持ち込んだ薪から放射性セシウム(長崎大学准教授の話だと吸い込んでも健康に影響がないレベル)が検出され中止となった。」とTVニュースは言った。人々に批判、抗議され、二転三転する人間感覚にさらに悲しくなった。
 
 《戦争》は、人間に最も邪悪な行為をさせ地獄絵を描く。《平和ボケ》は、自由という名の利己主義を助長させ、隣人への思いやりをなくした世相を作る。今回の騒動の中で燃やされる薪はさぞ無念だろう。
私の父は長崎の爆心地より2Km、母は5kmぐらいの所で被曝したと聞いている。生きているのが不思議な位の距離だ。その後に生まれたのが私である。被曝二世である。爆心地から5㎞ほど離れた実家周辺の瓦レキの中で、幼少時に遊んだが、その辺の放射能汚染濃度は、福島原発で被曝した薪の出す煙より、かなり高いものであったと思う。でも私は元氣に生きている。
 
 今年8月9日午前中から、弊社のオフィスでS氏と時を忘れるように真剣に話をした。12時15分頃彼が一瞬悲しそうな顔をした。「今日は長崎の原爆記念日です。11時2分に長崎の爆心地の方を向いて黙とうするのを忘れていました。」と長崎出身の彼は言った、そしてしばし黙祷した。私もそれに従った。「長崎の人は、毎年8月9日午前11時2分に、市民全員が黙祷します。歩いている人も足を止めて。鐘という鐘が、サイレンというサイレンがなります。」といった。 私は長崎生まれで小学校1年までは長崎にいて、
その後福岡に移ったため《8月9日午前11時2分の黙祷》の教育をうけていない。長崎では全ての学校で教える。その習慣に今も心身が反応する彼がいた。平和を願う習慣をみた。私もその習慣を身につけると決めた。
 
 8月15日のお盆、私は長崎の大波止の桟橋に立って精霊流しを観ていた。3か月ほど前に、どうしても故郷・長崎に帰り、先祖の墓に参り、そして幼心に残る長崎独特の精霊流しの喧騒の中に身をおきたいと思ったからだ。・・・・・鎮魂の大切さを感じた。

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